バスツアーは季節に応じた話題の絶景スポットや、グルメや温泉ほか、旅の旬を熟知している旅行会社の「こだわり」が詰まったバラエティに富んだ商品がいっぱい。しかも出発日直前まで申込を受け付こけているツアーもたくさんあります。
桜・お花見は春の観光の人気のテーマ。万葉集や古今和歌集でも詠まれているほど、古くから日本人を魅了してきた花です。夜になるとライトアップされて、幻想的な雰囲気に包まれて桜を楽しめる夜桜見物。バスツアーでも夜桜を観賞できるツアーがあります。
目次
日本の三大夜桜
夜桜を見物できるライトアップを実施しているお花見スポットはたくさんあります。中でも「日本三大夜桜」といわれるのは上野恩賜公園(東京都台東区)と弘前城(青森県弘前市)、高田公園(新潟県上越市)の3箇所です。まずは「日本三大夜桜」の魅力について紹介します。
弘前城
弘前公園は津軽氏代々の居城だった弘前城を明治維新後に公園として整備されました。弘前城天守は「現存十二天守」の一つ。ソメイヨシノを中心に、しだれ桜、八重桜など50種類以上、約2,600本の桜が園内を埋め尽くします。
「弘前さくらまつり」の期間中は23時までライトアップがされていて、夜桜を楽しめます。
上野恩賜公園
パンダでおなじみの上野動物園をはじめ、世界遺産に登録されている国立西洋美術館など多くの博物館・美術館が建ち並ぶ上野恩賜公園。日没後は道沿いのぼんぼりが桜の花々を照らし、多くの夜桜見物客で賑わいます。
高田公園
高田城跡を公園として整備された高田公園。高田城は徳川家康の六男だった松平忠輝によって築かれました。園内には約4,000本の桜が咲き誇ります。桜の開花時期に開催される「高田城百万人観桜会」では、高田城の三重櫓とともに、桜がライトアップされて、幻想的な空間です。
バスツアーで夜桜を楽しめるスポット厳選12選
高遠城址公園(長野県)
ソメイヨシノより少し小ぶりで赤みのある花を咲かせる「タカトオコヒガンサクラ」。高遠藩の旧藩士達が馬場の桜を廃城となった城跡に移植したのが始まりです。現在では約1,500本もの「タカトオコヒガンサクラ」が咲き誇り、その可憐さと規模の大きさは「天下第一」といわれています。毎年4月1日から「さくら祭り」が開催され、夜はライトアップが行われます。
兼六園・金沢城公園(石川県)
兼六園は「日本三名園」の一つに数えられる、江戸時代の代表的な林泉廻遊式庭園です。園内には約40種類、400本を超える桜の木が植えられていますが、約300もの花弁を付け、開花から落花するまでに花の色を3回変える「兼六園菊桜」は一番の見どころ。他にも熊谷桜、旭桜、福桜などの銘木や、その美しさから楊貴妃と名付けられた桜も見どころです。
金沢城は加賀百万石の領主・前田家の居城。天正11年(1583年)に前田利家が入場してその直後から本格的な城づくりが始められました。壁面に平瓦を並べて貼り、瓦の継ぎ目に漆喰をかまぼこ型に盛り付けて塗る「なまこ壁」が特徴的です。石垣沿いに咲き誇る桜は見事です。石川門、大手堀、白鳥路、菱櫓の内堀などが桜のビュースポットです。
桜の時期には開園時間が延長され、無料開放されます。
二条城(京都府)
徳川家康が、天皇の住む京都御所の守護と将軍上洛の際の宿泊所とするために築城した白。15代将軍慶喜が二の丸御殿の大広間で「大政奉還」の意思を表明したことで知られています。国宝に指定されている二の丸御殿をはじめ、二の丸庭園、唐門など、絢爛たる桃山文化の遺構を見ることができます。
城全域で50品種、約300本の桜が植えられています。ソメイヨシノをはじめ、ヤマザクラ、シダレザクラ、サトザクラなど、バラエティに富んだ桜を楽しめます。
桜の時期にあわせて体験型アート展「 NAKED FLOWERS 2023 桜 世界遺産・二条城」が開催。「桜×日本の伝統文化」をテーマにプロジェクトマッピングやインタラクティブアートを楽しめます。
円山公園(京都府)
円山公園は、明治19(1886)年に開園した京都市内で最も古い公園です。回遊式日本庭園を中心に、料亭や茶店が点在しています。「祇園の夜桜」で有名な「祇園しだれ桜」をはじめ、八重桜も楽しめます。
嵐山(京都府)
嵐山は桂川にかかる渡月橋越しに見る雄大な山々。春は一面の桜でピンクに染まり、夏はさわやかな新緑をまとい、秋は赤や黄など紅葉の複雑な色彩で彩られ、冬は美しく雪化粧。一年を通して、訪れる人の目を楽しませてくれる景勝地です。
平安時代から人々に愛される風光明媚な桜の名所で、後嵯峨上皇が亀山殿を造営する際に吉野から移植したといわれる桜の木が多く残されています。ヤマザクラ、ソメイヨシノをはじめとして、約1,500本の桜が植えられています。
中之島公園にはしだれ桜の巨木があり、夕方からのライトアップでは夜桜を楽しむことができます。「さくら名所100選」に選ばれています。
姫路城(兵庫県)
白亜の豪壮華麗な大天守閣の姿から「白鷺城」の別名を持つ姫路城。国宝に指定されていると同時に奈良県の法隆寺ととも日本で初めて世界遺産に登録された日本が世界に誇る城郭建築です。
「現存十二天守」の一つの五層六階の天守は。最上階の大棟両端には阿吽一対の大鯱瓦が飾られていて、外観は千鳥破風、大千鳥破風、唐破風が組み合わせせられていて調和のとれた非常に美しい姿です。姫路城には3つの小天守があり、中でも天守台の西北隅に位置している乾小天守は一番大きく三層四階の造りになっています。
約1000本の桜が植えられていて、三の丸広場の桜並木や、西の丸庭園のソメイヨシノやシダレザクラが見どころです。
夜間には、桜がライトアップされる姫路城夜桜会「和傘幻想 華灯り」が開催され、和傘や桜吹雪をイメージしたプロジェクションマッピングといったアートも楽しめます。
吉野山(奈良県)
世界遺産・吉野山の桜は今から1,300年前、修験道を開いた役行者が吉野山山上に金峯山寺を開いた際に蔵王権現の姿をヤマザクラの木に刻んだことに由来していて、以後、桜は「ご神木」として大切にされるようになりました。その後、参拝に訪れた信者たちから桜の苗木が寄進され、現在では吉野山全体でを約3万本もの桜が植えられています。吉野山は吉野ロープウェーの吉野山駅を起点に麓から下千本、中千本、上千本、奥千本と大きく4つのエリアに分けられています。麓側の下千本から桜は開花し始めて、中、上、奥千本と順に開花していきます。開花時期がずれるため、約1か月にわたって桜を楽しむことができます。下千本エリア「七曲り坂」、中千本エリア「ごろべえ茶屋」、上千本エリアの「太鼓判」近くの3カ所でライトアップが行われます。
尾道・千光寺公園(広島県)
故・大林宜彦監督の映画でもおなじみの尾道。昭和レトロな商店街や街並み、時折渡り船が行き交う海を眺めることができる坂道。タイムスリップしたかのようなどこか懐かしい気分を感じながら街を歩くことができます。瀬戸内海の多島美とレトロ感たっぷりの尾道の街並みを楽しめるスポットが千光寺公園。ソメイヨシノやシダレザクラ、ヤエザクラのほか珍しい桜など約1,500本もの桜が咲き誇ります。夜間もライトアップが行われ、俳句ぼんぼりの優しい灯りが夜桜を演出します。
錦帯橋(山口県)
国指定名勝に指定されている錦帯橋は日本三名橋の一つ。延宝元年(1673)に第三代領主の吉川広嘉が岩国城の眼下を流れる錦川に現在の橋の原型となる木造橋を架けたのがはじまりです。昭和25年(1950)に台風による洪水で消失、昭和28年(1953)に木造にて再建されました。数千本が植えられていて、満開の桜が並ぶ土手と錦帯橋の対比は見ごたえ抜群です。日没後から22時まで錦帯橋周辺のぼんぼりが点灯して、夜桜に華を添えます。
松山城(愛媛県)
松山市の中心部、標高132mの勝山に築かれた松山城。城内にはなんと21棟の重要文化財があります。「現存十二天守」の一つの天守は三重三階地下一階の層塔型天守。天守と小天守、隅櫓を渡櫓が天守建造物群として結ばれている連立式天守です。「登り石垣」と呼ばれる山腹から侵入しようとする敵を阻止する目的のため、ふもとの館と山頂の天守を、山の斜面を登る2本の石垣で連結させた珍しい石垣を見ることができます。また本丸の北に位置する野原櫓は日本で唯一現存する望楼型二重櫓で天守の原型といわれています。現在は城山公園となっていて、園内には約300本の桜が植えられています。毎日、夜は23時まで天守がライトアップされていて、桜の時期は夜桜が彩を添えます。
御船山楽園(佐賀県)
御船山楽園は佐賀藩の支藩、武雄藩の第28代領主鍋島茂義が別荘を設けるため、約3年の歳月を費やしてこの地に造園したといわれています。国指定天然記念物に登録されています。園内にはソメイヨシノやヤマザクラなど約2,000本の桜を観賞することができて、82,500㎡のエリアをライトアップする夜のイベントは九州最大級の夜桜イベントです。
臼杵城跡(大分県)
臼杵城はキリシタン大名として有名な大友宗麟によって築城されました。築城当時は断崖絶壁の島で、四方を海に囲まれた天然の要塞でした。現在は公園として整備されています。桜は800本植えられていて、春になるとが淡いピンク色の花びらをつけ、広い園内が桜一色に染まります。「臼杵城址桜まつり」の期間中は18時から22時まで桜のライトアップが行われます。
まだまだある!桜の名所
ここで紹介した「夜桜スポット」は日本全国各地にある桜の名所のほんのごくわずか一部。桜の名所については、下記リンクも参考にしてみてください。
まとめ
南北に細長い島国の日本。南から北まで日本国内で桜を観賞できる期間は長いです。バスツアーは移動が楽なのも大きな魅力。マイカーと違って自分で運転する必要がないので、慣れない道を運転するプレッシャーからも解放されますし、ツアー中にアルコールも口にすることができます。公共交通機関である乗継、乗換の心配もありません。バスツアーに参加して日本各地の夜桜を楽しんでみてはいかがでしょうか。夜桜のバスツアーは家族旅行、夫婦、カップル、女子旅、一人旅それぞれが思い思いに楽しめること間違いなしです。