尾瀬の5つの魅力
本州最大規模の高層湿原
尾瀬は東西6㎞・南北2㎞にわたる本州でも最大規模の高層湿原です。6000~7000年もの長い年月をかけて自然の営みによって湿原が作り出されました。湿原内には木道やベンチなどが整備されていて、高山植物など希少な自然を間近に眺めながら、ゆったりと散策を楽しむことができます。
燧ヶ岳と至仏山
尾瀬ヶ原、尾瀬沼を囲むように標高2000m級の山々がそびえています。「日本百名山」の一つで尾瀬ヶ原の東側にそびえる東北以北の最高峰である標高2,356mの燧ヶ岳、同じく「日本百名山」の一つで、高山植物の宝庫としても知られている標高2,282mの至仏山が代表的です。さらに会津駒ヶ岳、田代山などが尾瀬の雄大な景観をつくりだしています。
国立公園に指定
貴重な自然を守り、後世に受け継いでいくため尾瀬一帯の総面積37,200haが尾瀬国立公園に指定されています。またラムサール条約湿地に登録されていて、文化財保護法でも特別天然記念物に指定されています。
長い冬によって育まれた豊かな自然
尾瀬は例年10月ごろから翌年5月半ばごろまで雪に閉ざされています。雪解けとともに春が訪れ、短い夏を謳歌するように山や湿原の花々が咲き乱れます。9月上旬には鮮やかな紅葉を楽しめます。
快適な山小屋での一夜
尾瀬には20軒あまりの山小屋があり、散策の途中に立ち寄ったり、宿泊することができます。山小屋宿泊の魅力は朝晩の尾瀬の景色を楽しめること。客室は整備されていて大半の小屋は風呂付きです。テント泊できるキャンプ指定地も3カ所あります。
尾瀬 おすすめスポット
尾瀬ヶ原
尾瀬ヶ原は東西6キロ、南北2キロの広大な湿原です。湿原の中に木道が整備されていて、5月後半〜6月初旬にかけての水芭蕉、6月中旬〜7月上旬にかけてのワタスゲ、7月上旬〜下旬にかけてのニッコウキスゲをはじめ、100種類以上の珍しい高山植物がそれぞれの季節に咲き誇ります。9月中旬から10月初めにかけては、湿原の紅葉は草紅葉と呼ばれ、草原が金色に輝きます。また木々の紅葉も見事で針葉樹の緑、広葉樹の赤と黄色の色彩のバランスを楽しめます。
尾瀬沼
尾瀬沼は燧ケ岳の噴火により、燧ケ岳の噴火により溶岩流が只見川をせき止めてできた火山性の堰止め湖です。周囲約7kmに木道が敷かれ、1周約3時間で散策できます。
至仏山
「日本百名山」の一つ。標高2,228mの尾瀬を代表する山です。山体が蛇紋岩からなるため、登山道沿いにはカトウハコベ、ホソバヒナウスユキソウ、オゼソウなどの希少な蛇紋岩植物が見られ、山頂付近からは尾瀬ヶ原が見渡せます。
燧ヶ岳
「日本百名山」の一つ。標高2,356mで、至仏山と並び尾瀬を代表する東北最高峰の成層火山です。山頂付近からは尾瀬沼や尾瀬ヶ原を見渡すことができ、国内有数のブナの原生林が広がる山麓付近では、貴重な生態系が育まれています。
大江湿原
湿原の中央に大江川が流れていて、ミズバショウからワタスゲ、ニッコウキスゲと紅葉まで季節ごとにさまざまな花に出会えます。特に夏のニッコウキスゲの大群落は見ごたえ抜群。尾瀬ヶ原より標高が高いため、多くの花が尾瀬ヶ原より約1〜2週間遅れの見頃となります。
三条ノ滝
尾瀬ヶ原・尾瀬沼の水が全てここに集まり、落差約100mを一気に轟音を立てて流れ落ちます。滝を間近に眺める展望台から轟音と水煙の迫力ある風景を楽しむことができます。
尾瀬のルール・マナー
美しい自然景観を後世に伝えるため、次の点に注意しましょう。
湿原には立ち入らない
湿原保護のために、尾瀬には全長約57kmにもおよぶ木道が敷かれています。 写真を撮るために湿原に三脚を立てたり、木道や休憩所に座って足を湿原内に置くことはやめましょう。
動植物の採取はやめましょう
尾瀬には学術上貴重な動植物が数多く生息しています。このため、国立公園の特別保護地区および国の特別天然記念物に指定されており、人為的な行為について規制があります。 一つ一つが尾瀬の生態系を維持し、自然景観を保っています。 昆虫採取、山菜採り、落葉・落枝一本でも採集等はやめましょう。
ゴミは持ち帰り
尾瀬にはゴミ箱はありませんので、ほかの荷物と一緒に自宅まで持ち帰りましょう。湿原にポイ捨て、山小屋などに放置するのも厳禁です。 レジ袋などをゴミ袋として用意しましょう。
ペットは持ち込まない
尾瀬に生息する野生生物への脅威となったり、伝染病などを伝搬させたりする恐れがあります。 ペットの持ち込みはやめましょう。
外来植物の侵入を防ぐ
衣服や靴に付いている土に、雑草の種子が付着し、侵入・定着することがあります。湿原に移入植物が侵入すると本来湿原に生息する植物が脅かされることになります。 各入山口には「種子落しマット」があります。靴の泥をよく落として入山しましょう。
木道・歩道を歩きましょう
湿原を保護するための木道です。 湿原に踏み込まないことはもちろんですが、カメラの三脚などを湿原に立てないことも大切です。尾瀬のルールは右側通行、登り優先です。また歩行中の喫煙も厳禁です。
公衆トイレを正しく使う
用足しは必ず公衆トイレで。備え付けのペーパーを使用し、きれいに利用しましょう。トイレの入り口などに募金箱を用意しています。維持管理のための協力金も支払いましょう
尾瀬へのアクセス
尾瀬御池・沼山峠
公共交通
東武鉄道特急「リバティ」で会津高原尾瀬口駅へ。ここから会津バスが駒ヶ岳登山口、尾瀬御池を経由して沼山峠まで、5月下旬~10月末のみ運行しています。
マイカー
尾瀬御池~沼山峠は通年マイカー規制をしています。車は尾瀬御池の駐車場に停めます。駐車場は400台。1日1000円です。
大清水
公共交通
上越新幹線で上毛高原駅へ。ここから関越交通バスに乗り換えます。沼田駅を経由して戸倉までは通年運行していますが、大清水までは4月下旬~11月上旬のみ運行です。
高速バス
5月中旬~10月中旬は関越交通バスの「尾瀬号」が直行しています。全席座席指定です。
マイカー
駐車場は100台。1日500円です。
富士見下
公共交通
上越新幹線で上毛高原駅下車。こころから関越交通バスで沼田駅を経由して戸倉へ向かいます。戸倉から富士見下までバスは運行していないので、タクシーを利用します。
マイカー
駐車場は30台。無料です。
鳩待峠
公共交通
上越新幹線で上毛高原駅下車。関越交通バスで沼田駅を経由して戸倉(鳩待峠行きバス連絡所)へ。4月下旬~11月上旬のみ運行しているシャトルバスに乗り換え。
マイカー
5月中旬~10月上旬の特定日に、鳩待峠の手前からマイカー規制が行なわれます。戸倉に車を停めて、シャトルバスで移動します。戸倉の駐車場は530台、1日1000円。
まとめ
首都圏から日帰りで訪れることができる尾瀬。初心者・初級者向けのハイキング、登山の日帰りツアーも組まれています。尾瀬はとても広大です。できれば1泊2日、自然に囲まれて日常を忘れたひと時を過ごしてみてはいかがでしょうか。