バスツアーは季節に応じた話題の絶景スポットや、グルメや温泉ほか、旅の旬を熟知している旅行会社の「こだわり」が詰まったバラエティに富んだ商品がいっぱい。しかも出発日直前まで申込を受け付こけているツアーもたくさんあります。桜・お花見は春の観光の人気のテーマ。訪日観光客にも大人気。万葉集や古今和歌集でも詠まれているほど、古くから日本人を魅了してきた花です。バスツアーでも春先にはお花見に行くコースがたくさん催行されています。バスツアーで訪れるおすすめの桜・お花見スポットを北から南まで一気に60か所紹介します。
目次
桜のおもな種類
日本で見られる桜の種類はとても500種類以上に及ぶといわれています。まずはそんな桜の中でも代表的な品種について紹介します。
ソメイヨシノ
日本で最も有名な桜。江戸末期~明治初期頃から園芸品種として栽培されていて、当時の染井村(東京都豊島区駒込あたり)の植木職人や造園師が、オオシマザクラとエドヒガンを交配させてつくったといわれています。花弁は5枚あり、咲き始めは淡い赤色で、満開になると白色に近い色になります。
ヤマザクラ
古くから和歌に詠まれて親しまれてきた日本で最も代表的な桜の品種です。山地に広く自生していて、関東、中部以南でよく見られます。花と同時に葉が出るのが特徴で、花弁は5枚、色は白っぽいものからピンクまでバリエーション豊かです。白色や先端だけ色が濃い花を咲かせることももあります。葉は赤紫色や褐色など、様々な色に変化します。
オオヤマザクラ
ヤマザクラより花や葉が大きく、寒さに強い品種です。花は3cmから5cmで、濃いピンク色です。樹高は7m~15mほどですが、中には20m程度まで成長することもあります。
エドヒガンザクラ
本州・四国・九州の山地でよく見られる品種で、樹高は15~25m、楕円形の葉が特徴です。花弁は5枚で一重、色は薄紅色から白に変わります。丈夫で花がたくさん咲くため、多くの品種の母種として使われています。
オオシマザクラ
伊豆半島の沖に浮かぶ伊豆大島が名前の由来です。花弁は5枚で白色、淡い香りがします。葉と花が同時に成長していくのも特徴です。桜餅の塩漬けの葉っぱにはオオシマザクラの葉が使われています。
カワヅザクラ
早咲きの桜として有名な品種です。静岡県河津町の河津川沿いで、1mほどの原木が偶然発見されたのが始まりです。カンヒザクラとオオシマザクラの自然交雑種と見られていて、花は直径約3cmのピンク色、もしくは淡い紅色で、花序は散房状で4〜5花からなります。
バスツアーで行く桜・お花見スポット 北海道
松前公園(北海道) 見ごろ時期:4月下旬~5月中旬
松前は日本最北端の藩。藩主の松前氏は江戸幕府から蝦夷地の領地権、徴役権、交易の独占権を与えられていました。居城だった松前城があったエリアは松前公園として西武されています。公園には約250種類、1万本にも及ぶ桜の木が植えられています。「さくら名所100選」に選ばれています。
五稜郭公園(北海道)見ごろ時期:4月下旬~5月中旬
徳川幕府が幕末に築いた星形の洋式城郭。戊辰戦争の最後の舞台にもなったお城です。現在は公園として観光客だけでなく、市民の憩いの場となっています。桜の種類も多く、ソメイヨシノ、カンザン(関山)、フゲンゾウ(普賢象)、ウコン(鬱金)などのサトザクラが植えられています。五稜郭の星形をはっきりと確認できるのが五稜郭タワー。高さ107メートルの展望台から咲き誇る五稜郭の桜を眺めることができます。
バスツアーで行く桜・お花見スポット 東北
弘前公園(青森県)見ごろ時期:4月下旬~5月上旬
弘前公園は津軽氏代々の居城だった弘前城を明治維新後に公園として整備されました。弘前城天守は「現存十二天守」の一つ。ソメイヨシノを中心に、しだれ桜、八重桜など50種類以上、約2,600本の桜が園内を埋め尽くします。桜の開花時期には「弘前さくらまつり」が開催されます。「さくら名所100選」に選ばれている他、「日本の都市公園100選」、「日本の歴史公園100選」に選ばれていて、弘前城は「日本100名城」にも選ばれています。
北上展勝地(岩手県)見ごろ時期:4月中旬~4月下旬
北上展勝地の桜並木は大正9年に行われた桜の植栽事業によりできた、北上川の東岸、奥羽山脈を望む約293haの市立公園です。公園内には約1万本の桜が植えられていて「みちのく三大桜名所」に数えられています。
角館の桜(秋田県)見ごろ時期:4月下旬~5月上旬
「みちのくの小京都」角館。歴史情緒あふれる武家屋敷が並ぶ道の両側には多くのしだれ桜が咲き誇り、その数400本に及びます。そのうち162本が国の天然記念物に指定されています。塀壁にしなだれるように咲く様子が叙情的な風景を創り出しています。「さくら名所100選」に選ばれています。
三春の滝桜(福島県)見ごろ時期:4月中旬~4月下旬
三春の滝桜はエドヒガン系の紅しだれ桜で、樹齢1,000年といわれています。樹高は13.5m、根回りは11.3mもある巨大な桜の木で、近くから見ると目を見張るばかりの荘厳さです。大正11年(1911)国の天然記念物の指定を受けています。皇居宮殿の正殿松の間を杉戸絵「櫻」(橋本明治画伯)や、赤坂サカス赤坂Bizタワー壁画「四季樹木図」(千住博画伯)は三春の滝桜をモデルに描かれたといわれています。「日本三大桜」の一つ、「さくら名所100選」に選ばれています。
鶴ヶ城公園(福島県)見ごろ時期:4月中旬~4月下旬
戊辰戦争で白虎隊の悲劇の地となった鶴ヶ城。名曲「荒城の月」を作詩した土井晩翠はこの城をモデルに詩を作ったといわれています。天守は昭和40年(1965)に幕末の姿であった5層の天守閣に復元され、平成23年には当時の姿であった「赤瓦」に吹き替えられ、より幕末当時の姿に再現されました。桜の種類も豊富で約1,000本の桜が咲き誇ります。「さくら名所100選」に選ばれています。
バスツアーで行く桜・お花見スポット 関東
熊谷桜堤(埼玉県)見ごろ時期:3月下旬~4月上旬
江戸時代から桜の名所として知られていて、荒川大橋付近から下流、約2kmの区間に約500本のソメイヨシノが咲き誇ります。桜の時期には土手に菜の花も咲き誇り、桜のピンク色と菜の花の黄色が織り成す色彩のコラボレーションを楽しめます。「さくら名所100選」に選ばれています。
赤城南面千本桜(群馬県)見ごろ時期:4月上旬~中旬
赤城山の南麓に、圧巻の約1,000本のソメイヨシノの桜並木が広がる前橋を代表する桜の名所です。約1.3kmの市道が、満開時には見事な「桜のトンネル」となります。地元の人々によって芝桜が植えられていて、4月中旬から5月上旬にかけてこちらの景観も楽しむことができます。「さくら名所100選」に選ばれています。
隅田公園(東京都)見ごろ時期:3月下旬~4月上旬
「春のうららの 隅田川」から始まる滝廉太郎の歌曲「花」。この歌は桜が咲き誇る春の隅田川の情景を曲にしたものです。隅田川沿いの堤の桜は江戸幕府第8代将軍徳川吉宗によって植えられたといわれています。屋形船からも両岸の桜並木を眺めることができて、名曲に歌われた情景を今も堪能することができます。「さくら名所100選」に選ばれています。
恩賜箱根公園(神奈川県)見ごろ時期:4月中旬~5月上旬
芦ノ湖畔にあり、正面に富士山の雄姿を仰ぎ見ることができる公園。公園は箱根離宮の跡地を活用して造られました。一年を通じて四季折々の草花を楽しむことができます。4月中旬から豆桜が咲き始めて、5月上旬にかけて大島桜が満開になります。
小田原城址公園(神奈川県)見ごろ時期:3月下旬~4月上旬
国指定史跡に指定されている小田原城。戦国時代には関東一円を支配した後北条氏の拠点でした。昭和35年(1960)に復興された天守やお堀を取り囲むように約300本の桜が咲き誇ります。「さくら名所100選」に選ばれています。
バスツアーで行く桜・お花見スポット 甲信越・北陸
高田公園(新潟県)見ごろ時期:4月上旬~4月中旬
高田城跡を公園として整備された高田公園。高田城は徳川家康の六男だった松平忠輝によって築かれました。園内には約4,000本の桜が咲き誇ります。桜の開花時期に開催される「高田城百万人観桜会」では、高田城の三重櫓とともに、桜がライトアップされて、幻想的な空間。「日本三大夜桜」のひとつに挙げられています。「さくら名所100選」に選ばれています。
高岡古城公園(富山県)見ごろ時期:4月上旬~4月中旬
加賀100万石の前田氏の第2代当主前田利長の隠居城として慶長14年(1609)に築かれました。城は二の丸、三の丸などの馬出郭が当時のまま残り、特に水堀はほぼ完全な形で保存されていて「日本100名城」に選ばれています。公園内にはソメイヨシノを中心に、18種約1800本が植えられていて、満開時に水面に映る桜の姿は何ともいえない美しさです。「さくら名所100選」に選ばれています。
兼六園(石川県)見ごろ時期:4月上旬~4月下旬
兼六園は「日本三名園」の一つに数えられる、江戸時代の代表的な林泉廻遊式庭園です。園内には約40種類、400本を超える桜の木が植えられていますが、約300もの花弁を付け、開花から落花するまでに花の色を3回変える「兼六園菊桜」は一番の見どころ。他にも熊谷桜、旭桜、福桜などの銘木や、その美しさから楊貴妃と名付けられた桜も見どころです。「さくら名所100選」に選ばれています。
金沢城址公園(石川県)見ごろ時期:4月上旬~4月中旬
加賀百万石の当主前田家の居城だった金沢城。金沢城は天正11年(1583年)に前田利家が入場してその直後から本格的な城づくりが始められました。壁面に平瓦を並べて貼り、瓦の継ぎ目に漆喰をかまぼこ型に盛り付けて塗る「なまこ壁」が特徴的です。石垣沿いに咲き誇る桜は見事です。石川門、大手堀、白鳥路、菱櫓の内堀などが桜のビュースポットです。「さくら名所100選」に選ばれていて、金沢城は「日本100名城」に選ばれています。
高遠城址公園(長野県)見ごろ時期:4月上旬~4月中旬
ソメイヨシノより少し小ぶりで赤みのある花を咲かせる「タカトオコヒガンサクラ」。高遠藩の旧藩士達が馬場の桜を廃城となった城跡に移植したのが始まりです。現在では約1,500本もの「タカトオコヒガンサクラ」が咲き誇り、その可憐さと規模の大きさは「天下第一」といわれています。「さくら名所100選」に選ばれています。また高遠城は「日本100名城」に選ばれています。
丸岡城(霞ヶ城公園)(福井県) 見ごろ時期:4月上旬~4月中旬
丸岡城の天守は「現存十二天守」の一つ。現存する日本最古の天守の一つとされています。天守を取り囲むように約400本のソメイヨシノが植えられていて、桜の時期には「丸岡城桜まつり」が開催され、ボンボリによる桜のライトアップが行われます。「さくら名所100選」に選ばれていて、丸岡城は「日本100名城」です。
松本城(長野県)見ごろ時期:4月上旬~4月中旬
五層六階の天守は「現存十二天守」の一つで国宝に指定されています。松本城公園や周辺のお堀には約320本のソメイヨシノ、コヒガンザクラ、シダレザクラなどが咲き誇り、遠くにそびえる残雪の北アルプスの山々との色彩のコラボレーションは見事です。本丸庭園内にあるシダレザクラの一本桜は熊本藩主だった加藤清正が江戸からの帰り立ち寄った際の伝承が残り、「清正公 駒つなぎの桜」と呼ばれています。「さくら名所100選」に選ばれていて、松本城は「日本100名城」に選ばれています。
山高神代桜(山梨県)見ごろ時期:4月上旬
山梨県武川町の実相寺境内にある樹齢2,000年といわれるエドヒガンザクラで国指定特別天然記念物に指定されています。樹高10.3m、根元・幹周り11.8m。ヤマトタケルノミコトが東征の折に植えたという伝説があり、法華宗の開祖、この木の衰えを見て回復を祈ったところ再生したという伝承があります。日本三大桜の一つ、「さくら名所100選」に選ばれています。
甚六桜(山梨県)見ごろ時期:3月下旬~4月上旬
甲府盆地や南アルプスを見渡せる高台にあるJR中央線勝沼ぶどう郷駅の周辺に約1,000本の桜が立ち並んでいます。名前は長年、桜を育てている地元菱山地区の後継者の集まり「甚六会」の名にちなんでいます。桜の開花時期には列車の車窓から桜を眺めることができます。
身延山久遠寺(山梨県)見ごろ時期:3月下旬~4月上旬
身延山久遠寺は鎌倉時代に日蓮上人によって開かれた日蓮宗の大本山。久遠寺境内にある樹齢400年と伝わる2本のしだれ桜は、大きく垂れ下がる枝いっぱいに淡いピンクの花をつけます。
バスツアーで行く桜・お花見スポット 東海
河津桜(静岡県)見ごろ時期:2月中旬~3月上旬
2月上旬から開花しはじめる早咲きの桜です。河津桜はで2月上旬から開花が始まり、本州では早咲きの桜に分類されます。カンヒ桜と大島桜の自然交配種と言われていて、ソメイヨシノの品種に比べ、濃いめのピンク色が特徴です。開花から約1カ月間を経ってらから満開になるので長くに渡り楽しむことができます。いちばんの見頃といわれているのは満開になる前の6~8分咲きです。川沿いに咲き誇るピンク色の桜が広がる景色はまさにインスタ映え間違いなしです。
新倉山浅間公園(静岡県)見ごろ時期:4月上旬~中旬
新倉山の中腹に鎮座する新倉富士浅間神社境内から398段の咲くや姫階段を上った展望デッキから残雪が富士山と朱塗りの五重塔、そして咲き誇る約650本のピンク色の桜、そして青々とした空という自然景観が織り成すフォトジェニックな光景は「インスタ映え」間違いなしです。
富士山本宮浅間大社(静岡県)見ごろ時期:3月下旬~4月上旬
世界遺産「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」の構成資産の一つとして登録されている富士山とゆかりの深い神社。富士山は富士山本宮浅間大社の御神体として崇められる神聖地でした。本宮の境内の広さは約17,000坪。本殿社殿は徳川家康の寄進によるもの。国宝に指定されている本殿は「浅間造」と呼ばれる特徴的な形態です。浅間大社のご神木が桜であるため、境内には枝垂れ桜、ソメイヨシノなど約500本の桜が植えられています。
三嶋大社(静岡県)見ごろ時期:2月下旬~4月上旬
古くから伊豆国一の宮として栄え、源頼朝が源氏再興を祈願したことでも知られる由緒ある神社。本殿は国指定重要文化財に指定されています。シダレザクラ、ミシマサクラ、オオシマザクラ、ソメイヨシノ、ヤエザクラなど約200本の桜が植えられていて、2月下旬の寒桜から順に開花していきます。国の天然記念物に指定されている樹齢1200年といわれる金木犀も見どころです。
根尾谷の淡墨桜(岐阜県)見ごろ時期:4月上旬~4月中旬
樹齢は約1,500年といわれるエドヒガンザクラ。第26代天皇の継体天皇によって植えられたと伝えられています。樹高17.3m、幹回9.4m。つぼみの時はピンク色、満開時には白くなり、散り際には特異な現象として、淡く墨色を帯びることから「淡墨桜」の名前がつけられました。「日本三大桜」の一つに数えられています。「さくら名所100選」に選ばれています。
犬山城(愛知県)見ごろ時期:3月下旬~4月上旬
三層四階の望楼型天守は「現存十二天守」の一つ。日本最古の様式の一つで国宝に指定、「白帝城」とも呼ばれています。室町時代の天文6年(1537)に織田信長の叔父、織田信康によって築城されたのが始まりです。犬山城周辺には約400本ものソメイヨシノが咲き誇り、桜の時期になると城見歩道は桜のトンネルになります。天守からは木曽御嶽や伊吹山、濃尾平野、美濃の山々を眺めることができて、城下町の散策も楽しむことができます。「さくら名所100選」に選ばれていて、犬山城は「日本100名城」に選ばれています。
名古屋城(愛知県)見ごろ時期:3月下旬~4月上旬
徳川御三家の一つ、尾張徳川家の居城だった名古屋城。ソメイヨシノ、シダレザクラ、サトザクラ、ヤマザクラなど約1,600本の桜が植えられていて、3月下旬ころから次々に見ごろを迎え、城全体を埋め尽くすように咲き誇ります。中でもめずらしい品種は「御衣黄(ギョイコウ)」。他の桜より開花が遅めで、4月中旬から5月上旬に見頃を迎えます。名古屋城は「日本100名城」に選ばれています。
三多気の桜(三重県)見ごろ時期:4月上旬~4月下旬
国道368号から真福院の山門に至る1.5km余の参道は、馬子唄にも歌われたヤマザクラの名所です。500本余りのヤマザクラが咲き誇り、桜のトンネルが続きます。国指定特別名勝に指定されています。「さくら名所100選」に選ばれています。
バスツアーで行く桜・お花見スポット 近畿
彦根城(滋賀県)見ごろ時期:4月上旬~4月中旬
譜代大名井伊氏の居城だった琵琶湖畔に佇む城。三層三階の天守は「現存十二天守」の一つで国宝に指定されています。 屋根は「切妻破風」「入母屋破風」「唐破風」を多様に配していて、2階と3階には「花頭窓」、3階には高欄付きの「廻縁」が巡らされている美しい外観の建物です。内濠や中濠が完全に残っているのも大きな特徴。ソメイヨシノをはじめとする8種類の桜の木1,300本が植えられていて、白壁と桜の色彩が織り成す美しい景観を楽しめます。「さくら名所100選」に選ばれていて、彦根城は「日本100名城」に指定されています。
海津大崎(滋賀県)見ごろ時期:4月上旬
琵琶湖八景「暁霧・海津大崎の岩礁」としても知られる景勝地です。琵琶湖岸の約4㎞にわたって約800本のソメイヨシノが可憐に咲き誇ります。琵琶湖随一の岩礁と、青々としたっ湖、遠くに望む竹生島が織り成す景観の絶妙なコントラストも見どころです。「さくら名所100選」に選ばれています。
吉野山(奈良県)見ごろ時期:4月上旬~4月下旬
世界遺産・吉野山の桜は今から1,300年前、修験道を開いた役行者が吉野山山上に金峯山寺を開いた際に蔵王権現の姿をヤマザクラの木に刻んだことに由来していて、以後、桜は「ご神木」として大切にされるようになりました。その後、参拝に訪れた信者たちから桜の苗木が寄進され、現在では吉野山全体でを約3万本もの桜が植えられています。吉野山は吉野ロープウェーの吉野山駅を起点に麓から下千本、中千本、上千本、奥千本と大きく4つのエリアに分けられています。麓側の下千本から桜は開花し始めて、中、上、奥千本と順に開花していきます。開花時期がずれるため、約1か月にわたって桜を楽しむことができます。「さくら名所100選」に選ばれています。
奈良公園(奈良県)見ごろ時期:3月下旬~4月下旬
東大寺や春日大社、興福寺といった日本を代表する寺社仏閣が建ち並ぶ古都奈良の中心地。「正倉院展」でおなじみの奈良国立博物館も公園内にあります。総面積は約660ha。若草の芝生に覆われ、園内は国の天然記念物のシカが愛らしく歩き回っています。遠くに故郷への思いに駆られた阿倍仲麻呂が唐で詠んだ歌「天の原 ふりさけ見れば 春日なる三笠の山に 出でし月かも」でおなじみの風光明媚な若草山(三笠山)を眺めながら春の桜、秋の紅葉など四季折々の自然景観と古都奈良の悠久の歴史を感じさせる風格ある堂塔伽藍を巡ることができます。「さくら名所100選」に選ばれています。
高野山(和歌山県)見ごろ時期:4月中旬~下旬
世界遺産・高野山は弘法大師こと空海が平安時代の初期に開いた真言宗の総本山。平安時代の弘仁7年(816年)に嵯峨天皇下賜されて、修禅の道場として開きました。明治以前は高野山全体が「総本山金剛峯寺」とされていて、「一山境内地」とされていました。山内に点在するお寺は、塔頭寺院と呼ばれていて、現在は117の寺院があります。 寺院の中で52の寺院は宿坊を設けていて、一般の人でも宿泊することができます。壇上伽藍にある「西行桜」などが見どころです。
嵐山(京都府)見ごろ時期:4月上旬~4月中旬
嵐山は桂川にかかる渡月橋越しに見る雄大な山々。春は一面の桜でピンクに染まり、夏はさわやかな新緑をまとい、秋は赤や黄など紅葉の複雑な色彩で彩られ、冬は美しく雪化粧。一年を通して、訪れる人の目を楽しませてくれる景勝地です。平安時代から人々に愛される風光明媚な桜の名所で、後嵯峨上皇が亀山殿を造営する際に吉野から移植したといわれる桜の木が多く残されています。ヤマザクラ、ソメイヨシノをはじめとして、約1,500本の桜が植えられています。中之島公園にはしだれ桜の巨木があり、夕方からのライトアップでは夜桜を楽しむことができます。「さくら名所100選」に選ばれています。
醍醐寺(京都府)見ごろ時期:3月下旬~4月上旬
平安時代から「花の醍醐」と呼ばれる桜の名所で、シダレザクラ、ソメイヨシノ、ヤマザクラ、ヤエザクラなど、約1000本に及ぶ桜が咲き誇ります。豊臣秀吉が晩年、贅を尽くした「醍醐の花見」を行ったことでも知られています。
仁和寺・御室桜(京都)見ごろ時期:4月上旬~中旬
「御室桜」は世界遺産・仁和寺の中門内の西側一帯に咲き誇る約200本の桜。江戸時代から庶民の桜として親しまれていて、江戸時代の儒学者・貝原益軒が書いた京都観光の案内書「京城勝覧」にも登場します。金堂前のソメイヨシノ、鐘楼前のシダレザクラも見どころです。「さくら名所100選」に選ばれています。
七谷川・和らぎの道(京都府)見ごろ時期:3月下旬~4月上旬
七谷川周辺は約1kmにわたって約1,500本の桜が咲き乱れる桜並木が続く、丹波地方随一の桜の名所です。隣接したさくら公園には28種約280本の桜が植えられています。
姫路城(兵庫県)見ごろ時期:3月下旬~4月上旬
白亜の豪壮華麗な大天守閣の姿から「白鷺城」の別名を持つ姫路城。国宝に指定されていると同時に1993年に奈良県の法隆寺とともに初めて世界遺産に登録された日本が世界に誇る城郭建築です。「現存十二天守」の一つの五層六階の天守は。最上階の大棟両端には阿吽一対の大鯱瓦が飾られていて、外観は千鳥破風、大千鳥破風、唐破風が組み合わせせられていて調和のとれた非常に美しい姿です。姫路城には3つの小天守があり、中でも天守台の西北隅に位置している乾小天守は一番大きく三層四階の造りになっています。約1000本の桜が植えられていて、三の丸広場の桜並木や、西の丸庭園のソメイヨシノやシダレザクラが見どころです。「さくら名所100選」に選ばれていて、姫路城は「日本100名城」の一つです。
バスツアーで行く桜・お花見スポット 山陰・山陽
後楽園(岡山県)見ごろ時期:4月上旬
後楽園は日本三名園のひとつで、岡山藩主・池田綱政によって築庭された江戸初期を代表する林泉回遊式の大名庭園です。庭園の6分の1を占める芝の新芽が出始める4月上旬、ソメイヨシノを中心に約280本の桜が春本番を告げ、園内は一気に春色に染まります。4月頃下旬頃に花盛りになる菊桜や、花葉の池(かようのいけ)の傍らに咲くヤエベニシダレと栄唱橋とのコントラストも絶景です。
津山城(岡山県)見ごろ時期:4月上旬~4月中旬
「美作の小京都」と呼ばれる津山。津山城は初代津山藩主の森忠政によって元和2年(1616)年に完成しました。地上から45mにも及ぶ石垣が完全な姿で残り、平成17年(2005)に復元された備中櫓をバックにソメイヨシノなど約1,000本の桜が咲き誇ります。「日本さくら名所100選」に選ばれていて、「日本100名城」に選ばれています。
宮島(広島県)見ごろ時期:3月下旬~4月上旬
世界遺産・厳島神社に登録されている「日本三景」の一つ、宮島。桜の名所でもあり、厳島神社の周りにヤマザクラ、ソメイヨシノ、シダレザクラ、オオシマザクラなど約1,900本の桜が植えられていています。瀬戸内の海と厳島神社の大鳥居や多宝塔、五重塔などの歴史ある建造物と桜が織り成す「和の空間」を楽しむことができます。「さくら名所100選」に選ばれています。
尾道・千光寺公園(広島県)見ごろ時期:3月下旬〜4月中旬
故・大林宜彦監督の映画でもおなじみの尾道。昭和レトロな商店街や街並み、時折渡り船が行き交う海を眺めることができる坂道。タイムスリップしたかのようなどこか懐かしい気分を感じながら街を歩くことができます。瀬戸内海の多島美とレトロ感たっぷりの尾道の街並みを楽しめるスポットが千光寺公園。ソメイヨシノやシダレザクラ、ヤエザクラのほか珍しい桜など約1,500本もの桜が咲き誇ります。「さくら名所100選」に選ばれています。
御調八幡宮(広島県)見ごろ時期:3月下旬~4月上旬
奈良時代に皇位を望んだ道鏡の野心を、宇佐八幡宮の神託を得て退けたことで、称徳天皇の怒りに触れて大隅国に流された和気清麻呂とともに備後国に流された姉の広虫が宇佐八幡大神を勧請して清麻呂の身の潔白を祈願したことが始まりとされています。豊臣秀吉が参拝して桜の木を手植えしたと伝えられています。江戸時代の広島藩主浅野家、三原城主浅野家によってエドヒガンザクラ、シダレザクラが植えられ、漸次、新しいシダレザクラやヤエザクラなどが植えられています。
錦帯橋(山口県)見ごろ時期:3月下旬~4月上旬
国指定名勝に指定されている錦帯橋は日本三名橋の一つ。延宝元年(1673)に第三代領主の吉川広嘉が岩国城の眼下を流れる錦川に現在の橋の原型となる木造橋を架けたのがはじまりです。昭和25年(1950)に台風による洪水で消失、昭和28年(1953)に木造にて再建されました。数千本が植えられていて、満開の桜が並ぶ土手と錦帯橋の対比は見ごたえ抜群です。「さくら名所100選」に選ばれています。
松江城山公園(島根県) 見ごろ時期:3月下旬~4月上旬
国宝に指定されている松江城天守は「現存十二天守」の一つ。天守は四層五階で外壁の大部分が黒塗りの下見板張りになっていて、入母屋破風の屋根が羽を広げたように見えることから別名「千鳥城」と呼ばれています。天守の最上階からは松江市街や宍道湖を一望することができます。城を取り囲む堀川には観光遊覧船が巡っていて、堀端には武家屋敷も残されていて、城下町の風情を堪能することができます。城内にはソメイヨシノを中心にヤエザクラ、シダレザクラなど約190本の桜が咲き、夕暮れとなるとボンボリの点灯や桜のライトアップも実施されます。「さくら名所100選」、「日本100名城」に選ばれています。
鳥取城跡・久松公園の桜(鳥取県)見ごろ時期:3月下旬~4月上旬
豊臣秀吉の兵糧攻めの舞台になった鳥取城。戦国時代から江戸末期にかけての城郭形態の変化を窺うことができることから「城郭の博物館」と呼ばれています。球型に積み上げられた巻石垣など鳥取城でしか見られない石積みが魅力的です。現在は久松公園として整備されていて、園内にはソメイヨシノを中心に約240本の桜が植えられています。桜の時期にはボンボリも設置され、屋台も出て賑わいを見せます。
バスツアーで行く桜・お花見スポット 四国
松山城(愛媛県)見ごろ時期:3月下旬~4月上旬
松山市の中心部、標高132mの勝山に築かれた松山城。城内にはなんと21棟の重要文化財があります。「現存十二天守」の一つの天守は三重三階地下一階の層塔型天守。天守と小天守、隅櫓を渡櫓が天守建造物群として結ばれている連立式天守です。「登り石垣」と呼ばれる山腹から侵入しようとする敵を阻止する目的のため、ふもとの館と山頂の天守を、山の斜面を登る2本の石垣で連結させた珍しい石垣を見ることができます。また本丸の北に位置する野原櫓は日本で唯一現存する望楼型二重櫓で天守の原型といわれています。現在は城山公園となっていて、園内には約300本の桜が植えられています。「さくら名所100選」「日本100名城」の一つです。
高知城(高知県)見ごろ時期:3月下旬~4月上旬
土佐藩主山内家24万石の居城だった高知城。高知城の天守は江戸時代以前に築かれて現在もその姿をとどめる「現存十二天守」の一つです。望楼型天守で、外観は4重、内部は3層6階建ての建物で、入母屋造りの屋根の上に望楼を載せています。天守最上階には、初代藩主山内一豊が土佐に来る前に治めていた掛川城をモデルにして作ったといわれる廻縁高欄が付けられています。天守閣に隣接して建てられている本丸御殿も当時のまま残されています。三ノ丸周辺などに200本以上の桜の花が咲き誇ります。「さくら名所100選」「日本100名城」に選ばれています。
バスツアーで行く桜・お花見スポット 九州
舞鶴公園(福岡県)見ごろ時期:3月下旬~4月上旬
黒田藩52万石の居城だった福岡城。初代藩主黒田長政が、慶長6年(1601)から7年がかりで築城しました。城内には47の櫓があり、本丸、二の丸、東二の丸、南二の丸、三の丸で構成された内城部分で413,900㎡、城下の武家屋敷まで含めば2,460,000㎡もの広大な規模を持つ九州最大級のお城。現在は舞鶴公園として市民の憩いの場となっていて、天守台からは福岡タワーを眺めることができます。園内では古代の外交施設だった鴻臚館跡があり、展示施設が設けられています。園内に植えられている約1,000本の桜が春になると咲き誇ります。福岡城の外堀を活用した「水と緑のオアシス」大濠公園の散策もおすすめです。
秋月城下町(福岡)見ごろ時期:3月下旬~4月上旬
「筑前の小京都」と呼ばれている秋月城下町。端正な城下町の街並みが今も残されていて、伝統的な建造物の数々はもちろん、春の桜、秋の紅葉と四季折々の日本的な景観も楽しめます。城下町一帯は国の重要伝統的建造物保存地区に指定されています。江戸時代にタイムスリップした気分を味わうことができます。直線500mの秋月城跡に続く馬場通りは両側に並ぶ約200本の桜の木が春になると一斉に咲き誇り、ノスタルジックな雰囲気の町並みとのコントラストが見ごたえ抜群です。「さくら名所100選」に指定されています。
小城公園(佐賀県)見ごろ時期:3月下旬~4月上旬
「九州の小京都」と呼ばれる小城。小城は江戸時代は佐賀藩の支藩として小城藩が置かれていました。小城公園は小城藩初代藩主鍋島元茂から二代藩主直能によって作られた庭園です。園内には約3,000本の桜が植えられていて、春になると美しく咲き誇ります。近隣にはご当地グルメのマジェンバや鯉料理、名菓の小城羊羹を扱う店舗もあり、桜の花見と一緒にグルメも楽しむことができます。「さくら名所100選」、「日本の歴史公園100選」に選ばれています。
御船山楽園(佐賀県)見ごろ時期:3月中旬~4月上旬
御船山楽園は佐賀藩の支藩、武雄藩の第28代領主鍋島茂義が別荘を設けるため、約3年の歳月を費やしてこの地に造園したといわれています。国指定天然記念物に登録されています。園内にはソメイヨシノやヤマザクラなど約2,000本の桜を観賞することができて、82,500㎡のエリアをライトアップする夜のイベントは九州最大級の夜桜イベント。20万本のツツジが織り成す花のじゅうたんや推定樹齢170年の大藤も見どころです。
大村公園(長崎県)見ごろ時期:3月下旬~4月中旬
大村公園は大村藩主の居城であった玖島城跡にあります。園内に植えられている桜は総数約2,000本。中でも国指定天然記念物に指定されている「オオムラザクラ」は花弁が60枚から多いもので200枚にも及び、極めて優美で気高く、名桜中の名桜、里桜の中の逸品と言われています。「さくら名所100選」、「日本の歴史公園100選」に選ばれています。
島原城(長崎県)見ごろ時期:3月下旬~4月上旬
島原城は小高い丘を利用した南北に連なる連郭式平城です。外郭は周囲約4kmの長方形で塀をめぐらされていて、城門が7か所、平櫓が33か所ありました。内郭は堀にかこまれた本丸・二の丸を設け、その北に藩主の居館である三の丸が続きます。本丸には安土桃山式建築の粋を集めた総塗り込めの五層の天守閣をはじめ、3か所に三層櫓がそびえ立つ豪壮堅固な城構えでした。城下町は当時の面影を残す武家屋敷が今も残されています。藩政時代から桜馬場と呼ばれた桜の名所で、島原城を一周する1.2kmの堀端に250本の桜が咲き誇ります。「日本100名城」に選ばれています。
熊本城(熊本県)見ごろ時期:3月下旬~4月中旬
「築城の名人」加藤清正によって築かれた城。武者返しと呼ばれる石垣は熊本城の特徴のひとつです。下はゆるやかになっていて簡単に登れるように見えますが、上に向えば向かうほど反り返りが激しくなり、登ることができません。忍者も登ることができないということから「武者返し」という名前が付けられました。大天守、小天守は明治時代の西南の役で焼失しましたが、昭和35年(1960)に正確に外観を復元したうえで再建されています。平成28年(2016)の熊本地震で甚大な被害を被りましたが、順調に復興への道を歩んでいます。はソメイヨシノを中心にヤマザクラ、ヒゴザクラなどの地域ならではの種類も含めて約800本が植えられています。「さくら名所100選」「日本100名城」に選ばれています。市内にある熊本藩主細川氏の低位円だった水前寺成趣園 は国の名勝・史跡に指定されている桃山式の回遊式庭園。熊本城の桜とあわせて楽しむのがおすすめです。
一心行の大桜(熊本県)見ごろ時期:3月下旬~4月上旬
阿蘇カルデラにある樹齢400年余りの一本桜。樹高14m、枝張東西21.3m、南北26m、幹囲7.35mの大桜で、淡い薄紅色の花をつけます。桜の時期には周囲を菜の花畑に囲まれていて、桜と菜の花が織り成す色彩のコラボレーションを楽しめます。
岡城跡(大分県)見ごろ時期:3月下旬~4月上旬
夭折した悲劇の天才作曲家、滝廉太郎の名曲「荒城の月」のモデルになった城。周囲を河川に囲まれた阿蘇溶岩の台地の上にある天然の要塞。城跡は石垣を残すのみですが、哀愁を帯びた名曲のメロディを彷彿とさせることができます。勇壮でユニークな曲線デザインを多用し石垣は難攻不落といわれた堅固さを誇ったかつてをしのぶことができます。大手門跡はヨーロッパの古城を彷彿させます。日本で岡城にしかない通路の石垣塀の上ある半円柱状の「かまぼこ石」も見どころです。城内にはソメイヨシノを中心にヤマザクラ、ボタンザクラなど約450本が植えられ、遠くに見渡すくじゅう連山、阿蘇外輪山の景観とともに絵のような美しさです。「さくら名所100選」「日本100名城」に選ばれています。
臼杵城跡(大分県)見ごろ時期:3月下旬~4月上旬
臼杵城はキリシタン大名として有名な大友宗麟によって築城されました。築城当時は断崖絶壁の島で、四方を海に囲まれた天然の要塞でした。現在は公園として整備されています。桜は800本植えられていて、春になるとが淡いピンク色の花びらをつけ、広い園内が桜一色に染まります。臼杵城下町は当時の面影をしのぶことができる歴史情緒あふれる街並みが残されています。特に二王座の歴史の道は狭い路地のいたるところに城下町特有の面影が残っていて、高い石垣、重厚感のある瓦屋根、白壁の建物や多くの寺院が坂道沿いに長く続いていて、ノスタルジックな街並み歩きも楽しめます。
まとめ
南北に細長い島国の日本。南から北まで日本国内で桜を観賞できる期間は長いです。ここに挙げた50か所以外にもバスツアーとしてはあまり訪れることがない桜の素晴らしいスポットももちろんいっぱいあります。バスツアーは移動が楽なのも大きな魅力。マイカーと違って自分で運転する必要がないので、慣れない道を運転するプレッシャーからも解放されますし、ツアー中にアルコールも口にすることができます。公共交通機関である乗継、乗換の心配もありません。バスツアーに参加して日本各地の桜を楽しんでみてはいかがでしょうか。お花見のバスツアーは家族旅行、夫婦、カップル、女子旅、一人旅それぞれが思い思いに楽しめること間違いなしです。